社長挨拶

弊社は1945年の戦時下、航空機の部品メーカーとして発足しました。しかしながらその翌年には敗戦、航空機部品の注文も途絶え、あらゆる分野の部品を受注、加工しておりました。そうした中、自動車の動弁系部品の注文をいただきどうにか一息つく事ができた次第であります。
1960年代に入り、日本のモーターリゼーションの発達に伴い自動車部品の受注も増えてまいりました。しかしながら従来の総切削の加工では顧客納期も満足できないだけでなく、材料の歩留まりも著しく悪く、安定した売上が見込めるのは切粉のスクラップ代のみといった状況が長く続きました。
こうした状況を打開すべく1963年、冷間鍛造技術の導入に踏み切り、冷間鍛造用縦型プレスの第1号機の稼働が始まりました。その後、縦型プレス機械の増強を続けるとともに、1970年代には弊社辰野工場の竣工と同時期に多段式横型プレス機であるフォーマーを導入、さらに生産性を向上させる事ができ、今日の弊社の土台が出来上がりました。
敗戦の混乱期から今日の弊社の土台を築き上げた先人たちのご努力に敬意を払うとともに、そうした弊社をお引き立ていただいたお客様方に感謝申し上げる次第であります。
一方、自動車業界を取り巻く環境は大きく変動しようとしており、次世代の動力が内燃機関から電力機関等にシフトする動きも顕在化してまいりました。
こうした市況の変化にも、先人たちが残してくれた冷間鍛造技術を中核にして、幅広い顧客ニーズに柔軟に応えてゆくとともに、技術の研鑽、品質の維持向上に日々精進してゆく所存であります。